LINE台湾支社でAPI開発とアプリケーション分析を担当しているAugustin Wangと申します。今回は、2015年11月に開かれたLINE Developer Weekについて、レポートしたいと思います。 韓国に到着 いよいよ待ちに待ったLINE Developer Weekの初日です!仁川国際空港からバスで1時間ほど移動して、書峴(ソヒョン)駅にあるLINEの韓国オフィスに到着しました。オフィスには、かわいいLINE FRIENDSのキャラクターと各種グッズが飾られていました。 ここでは、日本と中国から来たたくさんの仲間と出会うことができました。英語・日本語・中国語・韓国語が混ざった会話になっていましたが、LINEのエンジニア同士では言葉の壁を感じることはありませんでした。 LINE Developer Day 韓国で過ごした1週間で一番記憶に残っているのは、ソウルで開催されたLINE Developer Dayでした。数百人に及ぶ開発者がLINEの最新技術動向を知るために集まってきました。LINE Developer Day参加者の出身企業・国は多岐にわたります。では、キーノートと午後のセッションのプレゼンテーション内容について簡単にご紹介いたしましょう。 キーノートセッション キーノート (CTOパク・イビン) LINE Developer Day 2015のキーノートのテーマは、「LINE, The Platform of Today」でした。LINEのCTOを務めるパク・イビンがLINEが達成した成果を数値で紹介しました。例えば、一日に170億件のメッセージを処理すると発表しましたが、これは、LINEが日常生活において欠かせないサービスとして定着していることの証といえるでしょう。しかし、こうした成果に甘んじることなく、さらに進化したLINEプラットフォームを構築してより多くの開発者とコンテンツプロバイダーに提供できるよう、常に改善を行っています。最後に、来年開かれるLINE Developer Dayではスマートモバイルエコシステムをお披露目する計画であると述べ、キーノートを締めくくりました。 LINE Development Chronicle (キム・ドンヒョン) このセッションでは、キム・ドンヒョンがここ4年間のLINEの発展過程を紹介しました。LINEは、「誰もが」利用できるメッセンジャーという、シンプルなニーズから始まりました。今は、子供から年配の方々まで、幅広い層がLINEを利用しているので、大きく成功したといえるでしょう。また、LINEは2つの特徴的なサービスである「位置情報共有」、「既読表示」を導入しました。これらの機能により、さらに便利にLINEをお使いいただけるようになりましたが、技術的な問題も発生していました。LINEのエンジニアたちは、ここ数年間発生していた各種問題を調査し、多彩な最新技術を適用することで、アーキテクチャとアプリケーションを改善し続けてきました。こうした取り組みに支えられ、LINEのサービスの安定性と速度は向上しました。 LINE Bubble 2 Development Story (イ・テウン) イ・テウンのLINE Bubble 2 Development Storyは、最も好評であったセッションの一つでした。LINE Bubble 2の当初の計画は、開発着手から3ヶ月以内にリリースすることでしたが、様々な変更が発生したことで、制作期間が1年に延びました。例えば、元のコンセプトは、キッチンで料理をするブラウンだったそうです。しかし、メンバーの間でユーザーの持続的な関心を引き付けるには物足りない感があるという意見があり、冒険をテーマにしたストーリーへと方向を転換したのです。このゲームは、2015年4月23日に正式リリースされました。 午後のセッション LINE Channel Platform and More (パク・ヨンソプ、 高橋ホセルイス) このセッションでは、パク・ヨンソプと高橋ホセルイスが、チャネルゲートウェイやLINEプラットフォーム、 ビジネスコネクトの概念とその用途について説明しました。ビジネスコネクトのサーバは、チャネルゲートウェイを使用してLINEの各種内部サービスとデータをやり取りすることができます。 LINEプラットフォームの開発において中核となるのは、個人情報保護とセキュリティです。ユーザーの皆様に安心してオープンプラットフォームサービスを利用していただけるよう、LINEプラットフォーム担当の各チームは、個人情報保護とアビューズ行為への対応に最善を尽くしています。 LINE Game Cloud (チェ・ヨンホ、ジョハン・ガル) このセッションでは、LINEゲームプラットフォームの新しいアーキテクチャの紹介がありました。新しいプラットフォームを模索するきっかけとなったのは、LINE GAMEの急成長でした。チェ・ヨンホとジョハン・ガルの話によると、多種多様なゲームにおいて常に満足できるユーザーエクスペリエンスを提供することは、難しい課題だったそうです。彼らは、ユーザーの満足度のみならず、開発者の暮らしの質まで保障できてこそ完璧な解決策になると強調しました。また、怠け者の本人たちの仕事をより容易にするためにも、イノベーションに力を入れるべきだったと冗談交じりに話していました。 LINE for Windows 10 (クォン・オイク、ソク・ヨンテ) Microsoftは、Windows 10のリリースを機にアプリケーションストア「Windowsストア」をリニューアルしました。これは、Windows版アプリ開発の新たな出発をも意味します。クォン・オイクとソク・ヨンテは、クライアント開発者とサーバ開発者の観点からWindows 10版LINEを開発した経験を話しました。 Applying QUIC Protocol on LINE Games (ソン・ソンホ、パク・テヨン) このセッションでは、LINEゲームプラットフォームに使用されるQUICプロトコルの紹介がありました。QUICはTCPとUDPに対応しており、知的メカニズムでコネクションのハンドシェイクとパケットロスを処理します。これは、特にモバイルゲームの通信環境においては最適な方法であるといえます。 Armeria: LINE’s Next Generation RPC Layer (イ・ヒスン) Armeriaは、Java 8およびNetty 4をベースにした同期・非同期RPCライブラリです。これは、コネクションポーリング(connection polling)とドメイン名検索の問題を解決できる真の非同期RPCであるといえます。イ・ヒスンは、サンプルコードとクライアントのデモを紹介しながら、Armeriaの機能を説明しました。ArmeriaはLINEの開発にすでに使用されており、オープンソースでも公開されています。 Hardcore: Trend of Chinese Mobile Game (Longtu GameのCPO Chen Liu様) Chen Liuは、中国のモバイルゲーム市場の最新動向について語りました。中国は、進出先として誰もが注目する巨大な市場です。中国市場の現況分析の後は、LongTu Gameが良質のIP(Intellectual Property:知的財産)を発掘または創出し、RPGのようなハードコアゲームを制作する方法について説明しました。また、中国のモバイルゲーム市場の新しいニーズに応えるべく、ハードコアの特性を持ったミッドコアゲームの開発に注力していると述べました。 Ampkit: Mobile VoIP (…)
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